【大学院/奨学金】一種や給付、免除の解説【実際に奨学金をもらった話】

大学院での奨学金制度を詳しく知りたい人「大学院の奨学金制度について大学の奨学金と何が違うのかを踏まえて知りたい。それぞれの奨学金について詳しく知りたい。また奨学金申請の際にポイントとかってあったりするのかな?」
こういった疑問に答えます。本記事では国からの奨学金と民間、財団の奨学金について解説を行います。片方だけ参照したい方は、国の奨学金または民間の奨学金のいずれかをクリックすることで、一方のみの情報をご覧いただけます。
本記事でわかること
- 奨学金制度について【大学院と大学で何が違うのかを含めて解説】
- それぞれの奨学金について詳しく解説
- 奨学金申請の際に気をつけるべきこと【実際に給付型の奨学金を獲得したノウハウ】
本記事の信憑性
記事執筆者は現在旧帝大学院生として研究を行う修士2年です。僕自身奨学金を利用したことがないのでですが、所属研究室のメンバーに奨学金利用者がいます。
年間50万円の奨学金(返済なし)をもらいながら研究
彼はこんな感じで、資金的な余裕から研究にも全力を注ぐことができています。そんな彼へのヒアリングにより作成をしています。なので、より詳しくは実際にホームページを参照することをお勧めしますが、こちらの記事では奨学金についての網羅的な知識と申請を通すためのコツを主に知ることができます。
【大学院/奨学金】一種や給付、免除の解説【実際に奨学金をもらった話】

まず奨学金の種類について解説します。具体的に大学院で受けることのできる奨学金制度には主に以下があります。
【国の奨学金】
・貸与第一種
・貸与第二種
【民間】
・貸与型
・給付型
この他にも授業料免除という、安く大学院に通う方法もありまして、こちらは脱線しますが、一応こんな感じ。
授業料の「半額免除」と「全額免除」
今回は奨学金についての解説を行います。まず大まかに図にするとこんな感じになります。比較のために2020年度からの大学の奨学金制度も掲載します。

※国からの奨学金、授業料免除についてのみ掲載しています。
上記のとおり。今回の記事では大学院の奨学金について紹介しますので、国の奨学金では一種と二種について紹介します。
またその他の奨学金として、民間の奨学金についても解説します。
国の奨学金制度
上述したとおりですが、大学院における国の奨学金は以下の種類があります。
「貸与一種」と「貸与二種」
国の奨学金は他の奨学金との併用が可能です。それぞれについてみていきましょう。
貸与一種奨学金
こちらの奨学金は以下のような特徴があります。
- 利子なしの貸与
- 審査が第二種に比べて厳しい【結論/大学院の第一種はそこまで厳しくない】
- 一部の学生は返済を免除される
上記のとおり。それぞれを深掘りします。
利子なしの貸与
返済の際に利子がつかない
つまり、借りた金額を将来そのまま返せばいいというわけです。多いのは月に8万8000円を借りるといった形の奨学金でして、多くのかたが修士課程までの在学になるので、合計でおよそ200万円ほどの奨学金を得ることができます。
審査が厳しい
第二種は利子つきでの返済なのに比べて、第一種は利子なしです。ですので審査が厳しいのは当然ですが、大学院では学部に比べて緩いです。
具体的には大学院の第一種の最低条件はこんな感じです。
- 本人の所得は200~300万円以下
- 親の所得制限なし
アルバイトをしている方も、扶養の関係で103万円を超えないようにアルバイトをしていると思いますので、この条件はあまり厳しくないと言えます。
一部の学生は返済を免除される
貸与一種の一番の特徴はなんと言っても、返済の免除を受ける可能性があるという点です。つまり、もともとは無利子での返済予定だった奨学金の返済義務がなくなるということです。
貸与一種取得者のうちの30%程度が半額または全額免除になる
結構多くの学生が、免除になる感じですね。申請期間は12月〜1月あたりです。

「免除になる人と、免除にならない人にはどのような違いがあるの?」
そうですよね、そこが気になりますよね。具体的に免除を受けるために重要なのは以下でして、上のものほどより重要な要素になっています。
- 論文を出す【査読つきの論文が望ましい】
- 学会の参加【国内でもいいが国外だとより評価を受けやすい】
- 特許、著書など【難易度は高め】
- 成績
- TA(ティーチングアシスタント)
上記の通りでして、重要なことは他の学生と差別化をすることのように思います。上記に関していくつかポイントがあります。
論文は地方大学であれば査読なしの論文も大丈夫です
査読とは論文を出す際の審査のようなものでして、この審査がある方が、より認められた論文だという判断になっている感じですね。ですので、東京大学院や京都大学院などの難関大学院では差別化のために査読ありの論文が望ましいです。
ただ地方大学院はそもそも大学院生が論文を出すこと自体に希少性があるので、査読はあまり気にしなくて大丈夫なようです。
学会の参加でも差別化が重要
学会の参加についても差別化が重要でして、海外の学会ですとより希少な経験ですので評価されやすいです。実際僕の所属する研究室でも、修士課程の間に海外の学会に参加している方はみたことがないので、海外の学会参加の機会があればぜひ参加しましょう。
貸与二種奨学金
貸与第二種奨学金についてはこんな感じです。
- 返済の際に利子がつく
- 審査は一種に比べて優しめ
なので、一種が通らなかった場合に考えるということになると思います。
民間の奨学金制度
こちらに関しての特徴は以下です。貸与と給付はほぼ同じなので解説は以下ひとまとめに行います。
- 大学院で受ける場合には親の所得などは関係ないところも多い
- 他の奨学金と併用可なものもある
- 交流会参加や泊まり込みの合宿がある可能性あり
こちらに関しては、かなりの数がありますが申し込みの時期は1月~4月が多いです。また、こちらの奨学金申請を通すために重要なのは以下です。
評価ポイント
- 成績
- 志望理由【コツがある/その企業や団体の理念に沿った回答】
成績については言わずもがなですが、志望理由については書き方が重要です。
理念に沿った書き方をする
奨学金申し込みの際のホームページなどには、その団体の理念が書かれている場合がほとんどです。それに答える形で、志望理由を書くといいと思います。面接があるところでも考え方は同じです。

「でも民間企業とかっていっぱいあるでしょ?どうやって調べるの?」
調べ方について解説します。
民間の奨学金の調べ方
手順は管理シンプルでして、以下の通り。
- ①Googleの検索窓に「〇〇大学院 奨学金 民間」と入力
- ②大学院の公式ホームページのものをクリック
- ③大学院生向けの民間奨学金一覧を見る
これだけです。ただ、文字だけではわかりにくいと思いますので、実際に東京大学院を例にして調べるとこんな感じ。
①Googleの検索窓に「〇〇大学院 奨学金 民間」と入力、②大学院の公式ホームページのものをクリック

③大学院生向けの民間奨学金一覧を見る

まとめ/アルバイトで研究に支障が出るようなら奨学金を考えよう
本記事では奨学金についての解説を行いました。奨学金は研究や学業をより精力的に行うために有効な手段です。アルバイトで疲弊してしまって、研究に身が入らないという本末転倒な状況を回避するにはもってこいです。
ぜひ利用してみましょう。以下に本記事のまとめを再掲します。
奨学金の種類
【国の奨学金】
・貸与第一種
・貸与第二種
【民間】
・給付型
国の奨学金で重要なポイント
- 論文を出す【査読つきの論文が望ましい】
- 学会の参加【国内でもいいが国外だとより評価を受けやすい】
- 特許、著書など【難易度は高め】
- 成績
- TA(ティーチングアシスタント)
民間の奨学金で重要なポイント
- 成績
- 志望理由【コツがある/その企業や団体の理念に沿った回答】
本記事は以上です。ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
また今回の記事をはじめとした大学院に関する記事はこちらの【大学院とは】入試から生活までを現役旧帝大学院生が網羅的に解説した記事にまとめられています。大学院入試から大学院生活のことまで網羅的に記事を展開していますので、気になる方はご覧ください。