大学院は何年で卒業できるの?【院生は就活に有利】

大学院進学を悩んでいる人「大学院は卒業までに何年かかるのかを知りたい。修士課程と博士課程は卒業までの年数のほかに何が違うの?大学院に進むと就職に有利だったりする?」
こういった疑問に答えます。
本記事でわかること
- 大学院は何年で卒業できるか
- 修士課程と博士過程の違いを解説【習得できる専門性のレベルが違います】
- 大学院生は就活に有利【断言します】
本記事の信憑性
この記事を書いている僕は理系の旧帝大学院2年で修士課程に在籍しています。
大学院生事情を知り尽くした現役の大学院生の僕が大学院は何年で卒業できるのかについて解説していきます。
大学院は何年で卒業できるの?【修士・博士課程についても】

結論、大学院は最短で2年で卒業できます。後ほど紹介しますが、大学院には修士課程と博士課程があり、それぞれについて解説を行いますので、比較しながらご覧ください。
大学院は何年で卒業できるのか
最短という言葉を使ったように、大学院を何年で卒業するかは、その人次第です。なぜなら、大学院には2つの過程があるからです。
少し分かりやすく解説するとこんな感じです。
大学で取得できる学位は「学士」、大学院で取得できる学位は「修士」、「博士」。
本記事では修士と博士について解説を行います。まずそれぞれの卒業までにかかる年数をそれぞれ比較して見ます。
学部 | 学士過程 | 修士過程 | 博士課程 |
一般的な学部 | 4年間 | 2年間 | 3年間 |
薬学部 | 6年間(修士課程はない) | 4年間 | |
歯学部 | 6年間(修士課程はない) | 4年間 |
薬学部と歯学部は少し卒業までのシステムが他の学部と異なることがほとんどです。
薬学部と歯学部は例外
- 薬学部 : 学士6年間+博士4年間
- 歯学部 : 学士6年間+博士4年間
薬学部、歯学部は学士6年間を卒業すると、修士に相当する資格を得られます。
薬学部、歯学部で博士課程を卒業するころには最短で28才です。遅いと感じますが、けっこういます。
そもそも修士課程と博士課程の具体的な違いはどのようなものか次の章で解説します。
修士課程と博士過程の違いを解説
修士課程
修士課程とは、大学を卒業した人が学ぶコースです。こちらのコースは2年間のコースになります。
世間一般では、大学院に進むという言葉は修士課程に進むという意味を持っています。
修士課程で学ぶことは、大学よりも難しく、博士課程(後で紹介)よりも簡単な内容です。修士課程を修了した学生の就職先は研究職がほとんどです。
博士課程
博士課程とは修士課程を修了した人が進むコースです。期間は3年間です。
学ぶ内容は、修士課程よりも難しく、将来研究職や学者になりたい人が進みます。
つまり、博士課程を終えるころには、大学を卒業してから2年(修士課程)+3年(博士課程)の計5年が立った後です。だいたい27才ごろです。
博士課取得後の進路は主にこんな感じ。修士課程とはだいぶ違いますね。
主な卒業後の進路は、企業の研究職に就職(40%程度)、ポスドク、任期付教員
ポスドク(博士研究員)と任期付教員とはちなみにこういう人たちのことです。
- ポスドク:特定のテーマやプロジェクトに従事する研究員
- 任期付教員:特定のプログラム、プロジェクト等に係る教育研究に従事
こんな感じで、前者は研究者に近く、後者の方がより教育者に近い感じですね。
博士課程を卒業したともなれば、専門性はかなり周りから評価を受けます。それは上記の就職先から見ても明らかかと思います。
※博士課程は修士過程よりも卒業が難しいです
ここからは僕の通う旧帝大学院の話ですので、例外はあるかもです。博士課程の卒業には論文を出すことが必須です。もちろん、修士課程ではそのような要求はないです。
なので卒業難易度は高いです。
大学院生は就活に有利です【断言します】
断言しますが、大学院生は就活にとても有利になります。その理由がこちら。
- 理由①:推薦がある
- 理由②:学部生よりいくつかの能力が高いと思われている
- 理由③:専門性をもっている
理由①:推薦がある
理系に限った話になりますが大学院生は学部生に比べて推薦の数が多いですというのが正しい言い方になるかと思います。
というのも、会社は学部生よりも大学院生が欲しいからです。
学部生:大学院生=1:5
くらいでした
推薦がないと、自由で応募しないといけなくけっこう大変ですのでこれはでかいです。
理由②:学部生よりいくつかの能力が高いと思われている
いくつかの能力というのが以下のようなものです。
- 1つのことを突き詰めて考える&取り組むことができる【主に研究職などの理系職で有利】
- 体力的にタフ
- プレゼンテーション能力が高い
これらは、大学院生が学部生よりも難しい研究を強いストレスのもとで行っているというふうに採用側が考えているからです。
実際にそうではなくても、勝手に誤認してくれるので有効にこのアドバンテージは使いましょう。
理由③:専門性をもっている
大学院生は学部生に比べると専門性を持っていることが強みになります。実際にこんなデータがあります。
H26年には70%近くの修士修了者が研究職に就職しています。
つまり、ほとんどの修士後に就職する学生は専門性のある仕事に従事することになります。
ですが、実はこの話には続きがありまして、大学院での研究が必ずしも活きる専門的な仕事とは限らないということです。

「え?でもそれって企業側にとっては、その人の能力を最大限活かすことができなくて損じゃない?」
そう思いますよね。その理由は2つありましてこんな感じ。
- 大学院での研究内容がニッチだとマッチする研究分野が企業にない
- 修士課程まででは完全に専門性があると認識されない
前者は想像つきやすいと思います。大学院で行って来た研究内容そのままの仕事をすることは難しいです。僕の研究室の先輩には、大学院で生物を扱っていたにもかかわらず、就職した後に自動車関連への就職をした人などいます。
後者については、例えばみなさんが企業の人事の方だとして、専門性のある学生が欲しいと思ったらこうすれば良いと思いませんか。
博士を持っている学生を採用
実際に製薬会社の研究職などはこの傾向が強いです。
まとめ:分岐点では「自分で考えること」が大事
大学院進学、博士課程へ進むかどうかなどの分岐点では自分の考えを持つことが大事です。
なぜなら、どちらを選んでもメリットとデメリットがあるからです、つまり正解はありません。自分が思い描く将来から逆算して進路を決定しましょう。
もう一度、今回の記事をまとめるとこんな感じですね。ここまでご覧いただきましてありがとうございました。
学部 | 学士過程 | 修士過程 | 博士課程 |
一般的な学部 | 4年間 | 2年間 | 3年間 |
薬学部 | 6年間(修士課程はない) | 4年間 | |
歯学部 | 6年間(修士課程はない) | 4年間 |
また今回の記事をはじめとした大学院に関する記事はこちらの【大学院とは】入試から生活までを現役旧帝大学院生が網羅的に解説にまとめられています。大学院入試から大学院生活のことまで網羅的に記事を展開していますので、気になる方はご覧ください。