【大学院はつらい?】辛いことと解決法3つ【旧帝大大学院生の僕が実証】

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大学院での研究に疲弊している人「大学院に進んだけど、思ったよりもハードで他の大学院生もこんな感じなのか気になる。また具体的に何につらいと感じているのかを知りたい、それとそこからどうやって脱却すればいいの?」

こういった疑問に答えます。先にお伝えしたいのは、この記事は大学院へのネガティブキャンペーンではありません。辛さに共感し、またその辛さから僕がどうやって抜け出したかを知っていただくことで、精神面での負荷を少しでも取り除いていただきたいです。その方が研究にも、上手に打ち込めるようになると思います(僕がそうでした)。

本記事でわかること

  • 現役の旧帝大理系大学院生の研究室生活を話します【ハードな反面、得られるものもあります】
  • これまでの研究室生活で特に辛かったこと3選
  • 大学院生活の辛さから脱却する方法【結論:マインドが大切です】

本記事の信憑性

本記事の執筆者の大学から院生活までの経歴はこんな感じです。

旧帝大理系として大学入学し主に化学を座学で学ぶ(3年次まで)→研究室ライフバランスよりも興味が赴く分野の研究室を選択(4年次)→同研究室で研究を継続(M2現在)

そしてこの中でどのくらい辛かったのかについて話します。こんな感じです、先生が怒るのも無理ないですよね(原因は研究がうまく行かなかったことが主です)。

1ヶ月半もの間、不登校気味になり学校に行った際にもずっと寝ているだけ。そして先生に呼び出され怒鳴られ、休学を迷うまでに。

しかし今では趣味であるブログと研究の両立ができ、研究室へもしっかり行っています。

こんな現役大学院生の僕が今回、大学院生としてつらいと感じたことについて詳しく書いていきます。現在は(自分の中では)研究とプライベートを両立し、こんな風にブログまで着手できるくらいの余裕を得ることができました。

上述の通り一時期休学を悩むまで大学院生活に疲弊していました、そんな僕が解説します。

現役の旧帝大理系大学院生の研究室生活を話します【ハードな反面、得られるものもあります】

具体的にここでは以下のことをお話します。

  • 具体的な1日のスケジュール
  • その他タスクとその頻度

研究室での生活スケジュール

タイムスケジュール

火~金
9:30~12:00 資料作成
12:00~13:30 昼食
13:30~16:00 進捗報告会
16:00~19:00 実験
9:30~12:00 実験
12:00~13:30 昼食
13:30~19:00 実験
9:30~13:00 論文紹介 休み

実際に密度はどんな感じなのか疑問に思う方がいるかもしれません。確かに時間で言うと、平日は9時間30分も拘束されています。しかし、実際に実験や資料作成の合間に、息抜き(学内のカフェや購買、雑談)があるので6時間ほどが実質の稼働時間かなと思います。

こんな感じで、実験意外にもデスクワークや会議などがちょくちょく入ってくるイメージです。以下に実験以外の主な活動をまとめました。それぞれが実施される頻度も一緒に掲載しています。

その他タスクと頻度

実験以外のタスク

  • 進捗報告会(頻度:週に1回3時間ほど)
  • 論文紹介(頻度:週1回、発表は3ヶ月に1回で発表時間30分で回ってくる)
  • 研究内容紹介(頻度:週1回、発表が月1回発表時間15分で回ってくる)
  • 学会(頻度:年数回)

イベントごと(おまけ)

また研究面以外にも研究室メンバーではこんなイベントもあります(今はコロナ下で実施できてないですが)。

  • 旅行(頻度:年1回)
  • 歓迎会&送別会(頻度:年1回)
  • 飲み会(頻度:年5回)
  • 運動会(頻度:年1回)

「こういう娯楽以外の大学院で研究していてよかったと思うことってある?」

そちらに関しては別記事にてまとめてありますのでよければそちらをご覧ください。

>>【大学院】に進学して得られるもの3選はこちら

ここまでの話でこんなこと思った人はいませんか?

普段のスケジュールは確かに土曜日があるのは辛そうだけど、社会人の方が大変そうに見える。

それについてはここから解説を行っていきます。大学院生と社会人に共通する辛さもありますし、大学院生ならではの辛さもあります。特に前者で大事なのはお金をもらっているかどうかの違いです。それを踏まえた上で見ていきましょう。

これまでの研究室生活で特に辛かったこと3選

ここからは研究室生活で具体的に何につらいと感じたのかを書きます。

研究室で辛かったこと3選

  • 研究がうまく行かない
  • 長時間の拘束+土曜日も研究室に行かなければいけない
  • 就職活動が十分にできない

研究がうまく行かない

おそらく大学院生活がつらいと思っている人の大半はこの理由によるものだと思います。僕もこれが大きいです。

研究室に入る前に思い描いていた「成果・実績を次々出していく」イメージと現実のギャップが大きい

何故こんなことが起きるのかを考えてみました。まず理系の大学院まで進学する学生は以下の特徴があります。

  • これまでの座学ではある程度上位の成績を収めてきた
  • 講義中に知る偉人たちの功績は当然ながら大成功した事例ばかりで、そのイメージを持って研究を始める

僕もなのですが最初から過度に期待をし過ぎてしまうということです。
座学ではいい成績(上位20%以上でした)を収めてきたことから、当然そのカーストは研究においてもある程度の正の相関があると誤った認識を持っていました。

「なんで成績の良さと、研究の成果は正の相関がないの?」

これは研究に以下の特徴があるからです。

  • 研究テーマによって難易度が異なる
  • 大学院生の知識よりも先生方の知識量が圧倒的に多く、結局頼ることになる

これらの2点から、研究においては自分ではどうしようもない部分が出てきてしまいます。

また、大学の講義では、その分野で多大な功績を残した人が紹介されます。そこに憧れと再現性を感じていました。当然そのような人はほんの一握りで、これも研究を始めてから再認識しました。

研究テーマが滅多に変わらないのでつらい

そして企業の研究職で実験に行き詰まった場合との決定的な違いはビジネスとして研究をしていない点です。企業の研究ではビジネスとして有益な研究を行うので、研究に行き詰まりコストの無駄が顕著になると、テーマが変わることが頻繁に起こります。

しかし大学院での研究はあくまで教育の一環です。なので、最後までやり抜くこと、失敗から考えて改善することが徹底して求められます。
なので、研究テーマが変わりにくく、僕の場合だと1年半ほど同じテーマの同じ検討を行っていました。

そしてこの研究テーマがうまく行かないという辛さは、以下のような連鎖的なストレスにつながります。

進捗の報告が憂鬱になってしまう

研究に進捗がないため、進捗報告で毎回似たような内容の報告を行うことになります。結構つらいです。

周りの研究が順調な学生と比較をしてしまう

当然ですが、研究が順調に進んでいる学生もいます。その学生の進捗を発表などで聞くと、自分の進捗とのギャップに悲観的になってしまうこともありました。おそらく研究で息詰まっている多くの大学院生の方々は共感していただけると思います。

発表会用のデータを出せないことへのプレッシャーになる

発表の機会は前述の通り、よくあります。成果がある方が、議論も白熱しますし、資料の見栄えも良くなります。大勢の人にみられる発表の場に向けてデータを揃えなければというプレッシャーを感じることがありました。実際、発表の前日には深夜3時まで実験をしていたり、泊まり込みで実験をすることもありました。

長時間拘束される

コアタイムは研究室にいなければいけない時間です。これは研究テーマなどによらず、学生に一律で決められています。なのですることが特にないのに謎に研究室に居る時間があります。この時間も辛かったのですが、これについてはルールとして事前に知らされていたので、そこまでのギャップではありませんでした。それよりも長時間の拘束で不便に感じるのは以下の点です。

リフレッシュの時間が取れない、病院などの必要な用事に出かけにくい。

つまり、日々の疲れを癒す時間が少ないということです。日曜日は休みでしたが、普段掃除ができていない分の部屋掃除や、病院などにいく事で消化されていってしまいます。

就職活動に打ち込みにくい環境

先に言うと、僕は理系の大学院生の中では圧倒的な量の企業にエントリーを行いました(周りの理系大学院生は10社くらいが肌感での平均)。ただその時には自分の体力を最大限削りました。

僕の場合本選考では30社以上エントリーしました。

当然それに伴って面接や説明会などの就活のスケジュールはより過密になりました。そこで時間を確保するためにしたことがこの2つです。

  • 7時間くらいだった睡眠時間を4時間程度にした
  • 実験の隙間時間を全て就職活動に捧げた

何が言いたいのかと言うと、文系の学生はもっと簡単に30社のエントリーくらいできてしまうと言うことです。就職活動中は特に精神が不安定になりがちです。そんな時に「文系の学生は時間があってずるい。」と心の中で思っていました。

「え、就職活動の間は休みにしてくれないの?」

おそらく大体どこも研究との両立です。ただ僕の研究室は就職活動への理解がある方だと思います。それは先生側に一度就職活動を経験した方がいらっしゃるからです。このような理解ある先生がいない研究室では、より就職活動が大変かもしれません。
つまり、就職活動への研究室の認識はこんな感じです。

  • あくまで研究室での研究を就活より頑張って欲しい
  • 先生方は就活経験がない人がほとんどで、就活の大変さを理解し切れていない

大学院生活の辛さから脱却する方法【結論:マインドが大切です】

ここからはどのようにしてこの辛さを乗り切ったかについて話します。前述したつらいこと3つのうちで、上の2つの辛さ軽減ができました。

研究室生活のつらいこと3つ

  • 研究がうまく行かない
  • 長時間の拘束+土曜日も研究室に行かなければいけない
  • 就職活動が十分にできない

大学院生活の辛さから脱却する方法

結論以下の3つがその方法です。

  • 方法①自分の実力を過信しない
  • 方法②研究がうまく行かないことを自分以外のせいにする
  • 方法③他の趣味を見つける

方法①

自分の実力を過信しない

自分が研究で成果を出せる人間だと思い込むのをやめましょう。日本の大学院生が、全員素晴らしい成果を出していたら日本は今頃ダントツの経済大国になっています。
むしろ、企業で働く前に挫折を味わうことのできた貴重な体験だと捉えましょう。おそらくですが理系大学院生は、これまで大きな失敗や負けを味わっていない人が多いです。それを知らないまま世の中に出たら、失敗や悩んでいる人の気持ちを理解できない人間になってしまいます。

方法②

研究がうまく行かないことを自分以外のせいにする

これは逃げです。ただ事実な場合もあります。前述の通り研究は自分だけの力ではどうにもなりません。ですので直接は言わないにしろ心の中で、「研究がうまく行かないのはテーマが難しいからだ」のように外的要因に押しつけましょう。
気をつけるべきなのは、あくまで精神を安定させるためなので、それを言い訳に研究の手を抜くのはダメです。
それこそが本当の逃げです。

方法③

他の趣味を見つける

この方法は時間を有効に使い、無駄な時間があることに対するストレスを軽減するものです。なので趣味はデスクでできるものが一番いいと思います(僕の場合はブログですね)。そして、あくまで研究が最優先です。なので本当にやることがない時だけにしましょう。

補足

また補足ですが、ブロガーとしてとても有名なマナブさんもブログでつらい時には同様の対処を行っていたようです。

  • 脳内で「つらい…」と考えない→方法②
  • 自分の状況を「客観視」する→方法①

こんな感じで本記事とは概ね対応しているかと思います。

まとめ

今回は大学院生活で辛かったことと、僕がどう乗り越えたかについて書きました。うまく気分転換などを挟みながら研究を頑張りましょう。

研究室で辛かったこと3選

  • 研究がうまく行かない
  • 長時間の拘束+土曜日も研究室に行かなければいけない
  • 就職活動が十分にできない

辛さから脱する方法3つ

  • 方法①自分の実力を過信しない
  • 方法②研究がうまく行かないことを自分以外のせいにする
  • 方法③他の趣味を見つける

また今回の記事をはじめとした大学院に関する記事はこちらの【大学院とは】入試から生活までを現役旧帝大学院生が網羅的に解説した記事にまとめられています。大学院入試から大学院生活のことまで網羅的に記事を展開していますので、気になる方はご覧ください。